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オールセラミックは万能か?

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2019.3.27
院長ブログ
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昨今、審美歯科の需要の高まりによって歯の被せ物の材質でオールセラミックに関するお問い合わせを数多く頂いております。オールセラミックとは一切金属を使わないセラミックの歯の総称で従来からある金属の上にセラミックを焼き付けた歯(メタルボンド)に比べ透明感が高く金属アレルギーがある方でも使えるなど多くの利点があります。

またオールセラミックの中には人工ダイヤを使ったジルコニアや強化型セラミックのEマックスなど様々な種類が出ており前歯だけでなく奥歯やブリッジにも適応範囲が広がっています(詳しくはオールセラミック比較表をご覧下さい)当院でも被せ物を入れる際に実物の模型を見せて比較をして頂くのですが患者さんはほんの一部でも金属が見えるものよりも全く金属を使わないオールセラミックに魅力を感じられる方が多く、オールセラミックは最先端の治療だがら大丈夫という誤解をしている方が多くいらっしゃいます。

このブログではオールセラミックを正しく理解していただくため是非知って頂きたいことはオールセラミックは決して万能ではないということです。オールセラミックには以下の大きな欠点があります。

 

  1. 割れやすい セラミック系の歯は特に咬合力が強く歯ぎしりする人には不向きです。
  2. 固すぎる  ジルコニア系の歯は固すぎてかみ合わせの歯を傷めたり、顎関節症の原因になることがある。
  3. 削る量が多い 金属の歯に比べ厚みが必要なので削る量が多くなり結果的に神経を抜かなければならないことがある
  4. 適合が悪い  CADCAMというコンピューターで読み込んで削り出す方法はかなり精度は上がっているとはいえまだまだ熟練の技工士による手作業にはかないません。

 

治療した歯を長持ちさせるためにはどんな材質を使おうとも根の治療をしっかり行い、歯周組織の環境を整え、精密な適合と咬み合わせを与えるという基本の積み重ねでしか得られません。

当院ではやり直しの少ない治療を第一に考えており何でもかんでも白ければいいという風潮には賛同できません。実際、歯科医師は自分の大臼歯にはゴールドを入れている人の方が多いのも事実です。

以上の欠点を踏まえその人の口腔内にあった適材適所で歯を選ぶ事が大切だと思います。